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ブーランジュリークルミ 福井 清史

 


尊敬するシェフとの出会いと独立のきっかけ

 

ブーランジュリークルミは埼玉県さいたま市に店を構える人気のベーカリーだ。一歩店内へ足を踏み入れると、こじんまりした店構えからは想像がつかないほど多種多様なパンが出迎える。わずか4・5坪の売り場に170種類ものパンがぎっしりと並ぶ様子は圧巻だ。

「どんな世代の人でも入りやすく、何かしらでも気に入ったものがあるお店」。オーナーシェフの福井清史さんにお店のコンセプトを尋ねると、そのような言葉が返ってきた。その言葉通り、休日昼ともなると老若男女が行列をつくる。

福井さんがパン屋を目指したきっかけは、「学生時代、近所においしいパン屋があったから」という。食べ盛りの高校時代、近所のパン屋で買ったパンを、夕食前に3つも4つもペロリと食べた。そのような原体験が、福井さんをパン職人の道へと導くこととなる。しかし、専門学校卒業後、いくつかの店舗で修行するも、どの店も1~2年と長くは続かなかったという。やる気はあったのものの実力が伴わず、目標もなく空回りしていたと、福井さんは当時を振り返る。転機が訪れたのは26歳の頃。大手ベーカリーで、当時チーフをしていた、現ブーランジュリーオーヴェルニュの井上シェフとの出会いがきっかけだった。その頃、福井さんは漠然と独立したい夢を抱いていたものの、どうすればいいのかわからず二の足を踏んでいる状態だったという。その背中を押してくれたのが、他ならぬ井上シェフだった。井上シェフの存在に勇気付けられた福井さんは35歳で独立することを目標に掲げ、日々の仕事に打ち込んだ。

2009年10月、当初の目標通り福井さんは35歳で独立しブーランジュリークルミをオープンさせた。自宅から通える範囲で探したという物件は、最初そこまで良い物件とは思わなかったという。日商8~9万円ほどであればやっていけると考えていたが、すぐに13~14万円ほどとなった。特筆すべきは、やはりパンの種類の多さだ。最初は60種類くらいだったのを徐々に増やしていったという。特にサンドイッチを強化し、種類を充実させた。一時はサンドイッチだけで40種類もつくっていたという。ハード系、菓子パン、惣菜パンなど、それぞれのジャンルが同じくらいになるようバランスをとっており、どのパンが自慢というわけではなく、なにを食べてもおいしく、あらゆる種類が選べる店を目指している。

 

新商品を考案する楽しさとコンテストでの学び

 

地域的に高価格は合わないため、使う材料はブランドにこだわらず、味を吟味して選んでいる。その分、生地に工夫をこらし、湯種製法など、日本人の口に合うしっとりもちっとした生地に仕上げているという。

都度商品を入れ替えながら170商品程度を維持しており、時期にもよるが、忙しい月は1~2個程度、多いときは月10個程度の新作を出している。毎月そんなにも新作を考案するのは大変なのではないかと尋ねると、福井さんは笑いながら、新しいパンを考えることこそ楽しいのだと話す。それよりも製造オペレーションに落とし込んで、売っていくことの方がよっぽど大変だという。最近は季節野菜のパンとして、クロワッサンやリュスティックなど、5種類のパンを販売しており、野菜の旬が変わるたびに具材を変えて提供している。

福井さんはコンテストでの受賞歴も華々しいが、コンテストに出ようと思ったきっかけもまたブーランジュリーオーヴェルニュの井上シェフだという。受賞作品はそのまま店頭に出すには手間もコストもかかりすぎてしまうが、商品を考案する際の参考になる。アイディアの引き出しの多さが、パンの種類の多さに繋がっている。また、コンテストの参加者であるシェフたちとの交流を通じて刺激を受け、向上心やモチベーションの維持にもつながり、その経験は日々のパン作りに生かされているという。

 

効率を意識することで働きやすさも生まれる

常に170商品ものパンを作るとなると、
毎日遅くまで大変ではないだろうかと問うと…………(続く)


 

ブーランジュリークルミ

●所在地:埼玉県さいたま市見沼区春岡1-22-1
●立地:東部野田線「七里」駅から徒歩15分
●開業年:2009年
●定休日:水曜日
●従業員:8人(販売4人・製造4人)
●営業面積:20坪(売場4.5坪・工場14.5坪・休憩室1坪)
●日商:平日20万円/休日30万円
●客単価:平日1300円/休日1600~1700円
●オーブン台数:1台
●ミキサー台数:1台
●パンの種類:170種類(生地11種類)
●Instagram:boulangeriekurumi


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