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ブラフベーカリー 榮徳剛

 


外国のエッセンスを感じられる世界観

ブラフベーカリーは2010年、神奈川県横浜市にオープンした。
横浜赤レンガ倉庫やベイブリッジなど、横浜市の中でも屈指の観光スポットが目と鼻の先にあるという立地でありながら、お店の周囲は喧騒とは無縁の閑静な住宅地だ。
古くから日本の海の玄関口として栄えた地域で、江戸時代末期、日本が開国した際に多くの外国人が渡来した。お店のすぐ側にある「横浜山手西洋館」や「横浜外国人墓地」がその歴史を物語っている。
「ブラフベーカリーの〝ブラフ〟は〝断崖〟や〝絶壁〟という、海などを見おろす山の手を指す言葉で、日本にやってきた外国人がこのあたり一帯をそう呼んでいたそうですよ」そう教えてくれたのは、オーナーシェフの榮徳 剛さんだ。
その言葉通り、この地域には今も「ブラフ」と名のつく名所が数多く存在する。そんな歴史を感じさせる街に根を下ろし、街の魅力のひとつとなっているのが、このブラフベーカリーだ。
パン屋の3代目として生まれた榮徳さんは、幼い頃より将来はパン屋になるものと思って育った。高校卒業を控え、これからなにをしていくのか思案した際、家族が喜んでくれるのはどんな職業かを考え、パン屋になることを決めたという。
専門学校卒業後、フランス人シェフが経営していたパン屋で3年ほど修行し、その後ホテルベーカリーで4年ほどパン職人として腕を磨いた。
自分でパン屋をやるなら生まれ育った横浜で。そう考えていた矢先、ちょうど気に入っている場所にテナントができたことで独立し、2010年、現在の場所にブラフベーカリーをオープンさせた。今では本店の他にパン屋を2店舗、さらにコーヒー店を1店舗、計4店舗を展開しているが、そのいずれも横浜市内にある。
店名が表す通り、ブラフベーカリーの世界観は横浜という地域と密接に関係している。
お店に入った瞬間から、異国に来たような気分になる空間にしたい。ブラフベーカリーの目指す世界観は、ニューヨークスタイルを基盤として、日本人に馴染むようにバランスを取っている。榮徳さん自身アメリカで研修経験があり、また奥さんも留学していたことから、夫婦でインスピレーションを受けたという。
ニューヨークでは菓子は菓子屋が、ドーナツはドーナツ屋が売る専門店スタイルが主流だというが、そこはパンや菓子など様々なジャンルをひとつのお店で扱う日本式を採用した。好きなものを集めたセレクトショップのようなお店の方が、きっと楽しいと思ったからだ。


粉の個性を楽しみ試行錯誤する職人の気質

パンについてもニューヨークスタイルを意識して、サイズ感を大きめにするなど世界観を大切にしている。日本人の食べやすい味に落とし込むことで、ブラフらしいパンを提供しているという。
個性のある粉を色々試すのが好きだという榮徳さんは、歯切れの良さを表現するため、粒度の荒い粉を海外から直接輸入している。そのような粉は値段が高かったり品質にブレがあったりするが、その時々の粉のコンディションを見極め、試行錯誤することで粉の個性自体を楽しんでいる。うまくいかないところをどうしていくか考えていくのが職人として楽しいのだという。
パンによって粉を使い分けており、イメージにぴったりの粉を使いパンをつくるのが、自分の店をやる醍醐味だと榮徳さんは楽しそうに語る。国産メーカーの粉も色々と試し、横浜市内で作られている粉にも興味を持つ。また、フランスパンやドイツパンなど、様々な国のエッセンスを取り入れながら、どう表現していくかを常に考えているという。おいしいものをどうしたらブラフっぽくできるかという言葉が印象的だ。


好きを追い求めてパンづくりの楽しさを伝道

現在は本店だけで平日は日商30万円を誇るが、オープン当初は日商3~4万円ほどだったという。メディアの力も借りつつ、軌道に乗ったのはオープンから約一年後。立地的に偶然人が通りかかるというのは稀だが、今ではブラフベーカリーを目掛けてお客様が来店する。
日本大通りにお店を出したきっかけを尋ねると…………(続く)

 
 

 

ブラフベーカリー

●所在地:横浜市中区元町2-80-9 モトマチヒルクレスト1F
●立地:みなとみらい線「元町・中華街」から徒歩7分
●開業年:2010年 ●定休日:なし
●従業員:25人(販売9人・製造16人)
●営業面積:37坪(売場9坪・厨房とバッグヤード28坪)
●日商:平日30万円/休日55万円
●客単価:平日1300円/休日1600円
●オーブン台数:2台 ●ミキサー台数:2台
●パンの種類:150種類(生地20種類)
●Instagram:bluffbakery
●facebook:@EITOKUTSUYOSHI


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