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ESPRIT 吉村 学

 




駅から車で20分。立地の悪さを感じさせない繁盛店
 

岐阜駅から車で20分、バスで40分。決して立地がいいとは言えないが大きな駐車場には県外ナンバーの車が並ぶESPRITは、吉村さんが経営する小麦家の直営店だ。
イートインのある広い店内には全国からお客様が絶え間なく訪れる。

お客様がのんびりパンとコーヒーを楽しむ様子は、オーナーである吉村学さんが掲げる「パンを食べることで、笑顔ある幸せをお届けすること」を体現しているようだ。

2019年にオープンしたESPRITは、現在系列店が3店舗に増え、ファンも増え続けている。 ESPRITのパンは「食べて健康になる」ことと「美味しいものを食べて幸せを感じる」パン作りを軸に、製法と素材にこだわっている。酵母を発酵のためだけでなく、香りや生地を緩ませるために入れるなど、セントラル工場で大量にパンを焼きあげながらも、自家製の酵母を使用するなどこだわりを持って作られている。
若くして、順風満帆とも見える繁盛店の裏には、凄まじい歴史と努力の積み重ねがあった。


両親が作った小麦家。親の背中を見て育った幼少期

 

小麦家は1982年、吉村さんが生まれたのを機に両親が脱サラして作った会社だ。
小さいビルの一階のテナントでパンを作り地元のカフェやレストランに卸していた。吉村さんは物心ついた時から、両親が朝から晩まで働く姿を見ながら工房で長い時間過ごしてきた。
中学生に上がる頃にはすでに一人前の戦力として、休みの日はシフトに入っていたという。パンが身近にありすぎて、当時はパン屋になりたいと思ったことはなかった。 その後、実家を出てパン以外の仕事についていた吉村さんだったが、父の助言でパティスリーへ修行に行くこととなる。
当時、生まれたての子供と妻がいたが両親に預け1年がむしゃらに働いた。そこで、ケーキ作りよりもパン作りが自分には合っていたと感じたという。発酵し、生き物であるパンを育てる楽しみがパン作りにはあった。 そこからはパン屋巡りをして、おいしいと思ったパン屋にその場で弟子入りをお願いした。休日にはほかのパン屋で研修という名目でパン作りを学ばせてもらったという。
休みと呼べる日は一日もなかったが、吉村さんは「皆さんに助けてもらって本当に恵まれていた」と笑顔で当時を振り返る。

この頃、初めてリテイルベーカリーを経験し、笑顔で帰っていくお客さんの姿を直接見ることができることに魅力を感じていた。



ネクタイを締める職人。売れずとも信じ続けた苦悩の日々


そんな折、実家の両親の体調が悪くなり、帰ってくるようにと連絡が入った。
それを機に、吉村さんは実家の小麦家で働くこととなる。朝からパンを焼き、卸先を開拓するために自ら営業する日々。
吉村さんは修行先で学んだ、小麦の香りのする熟成させたフランスパンの魅力をどうしても広めたかった。
しかし当時はフランスパンに馴染みがなく、なかなか世間に受け入れらなかった。3ヶ月卸先に通い詰めてようやくパンを卸してもらえても金額は3万円ほどと、あまりにも費用対効果が悪かった。周りから自己満足のパンだと言われることもあったという。

しかし…………(続く)


 

ESPRIT(エスプリ)
 

●所在地:岐阜県岐阜市長良東1-2-29
●開業年:2019年10月
●定休日:水曜日
●従業員:約160人(アルバイト含む)※姉妹店含む
●営業面積:約63坪
●日商:45~50万円
●客単価:1,850円
●オーブン台数:2台
●ミキサー台数:1台
●パンの種類:約100種類以上

 


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