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ベーカリーハイジ 宮下 真彦

 


「従業員が第一」と学んだのは店舗運営の失敗から

ベーカリーハイジは1983年に開業し、二代にわたり地元の方に長年愛されているパン屋さんだ。現在は千葉県白井市の本店と、船橋市のナチュールハイジ、10月リニューアルオープンのハイジカフェの3店舗を展開しており、若手のスタッフが生き生きと働く店内は活気に満ちている。新しい取り組みにも積極的で、店舗での販売だけではなく、通販や取り置き予約サイトの新しいツールを活用し、SNSなどお客さまとの新しいコミュニケーションにも取り組んでいる。時代にあわせて柔軟に対応しているお店だが、現在に至るまで紆余曲折があったという。オーナーの宮下真彦さんにハイジのこれまでと、試行錯誤しながら歩んできた軌跡など幅広くお話を伺った。
宮下さんは製パン製菓専門学校で学んだあと、横浜にあるパン屋さんで2年程修業し、その後ハイジで働くようになった。二代目ということで気負いがあり、最初は売上という指標にこだわっていたという。修業先のパン屋さんは日商30~40万円ほどの規模で、「同じようなラインナップのパンを作れば売れるのだな」と思いながら、ハイジで働くようになってからも売上を意識していた。最初は苦戦しながら徐々に売り上げを伸ばしていったが、宮下さんが三十歳の頃に試練が訪れる。両親がナチュールハイジのほうに注力し、宮下さんが店長としてベーカリーハイジを任されるようになってからというもの、売上が2割ほど落ちてしまったのだ。小麦粉の値段が高騰していたタイミングで、安い小麦粉を選び値段を据え置きにしながらパンのサイズを小さくしたことも影響していた。お客様から味が落ちたと指摘されたこともあったという。当時は従業員との上下関係をはっきりさせていたこともあり、従業員からはワンマンだと言われ優秀な者から辞めていき、社員が一人もいなくなったことがあった。修業時代からずっと順調だったことで、「おいしいパンを作れば売れて、店舗運営もうまくいくと過信してしまっていた」と宮下さんは振り返る。どんなパンを作るのか以上に、従業員やお客様への配慮など細かな積み重ねが信頼を築き、上手く店舗が回っていたことにそのとき気づかされたそうだ。
その後、組織の活性化やマネジメントなど、パン作り以外の勉強会に積極的に参加するようになった宮下さんが経営に大切なこととして学んだことは、「従業員が第一」ということだった。それからというもの、徐々に労働環境を改善していき、たとえ自分の給料が減ったとしても従業員の待遇を向上させることを最優先にした。同時に売上を回復させるために、憧れている職人のそれぞれのパンをベンチマークし、「自分たちが食べたいと思うパン、お客さんに食べてもらいたいと思うパン」「どこにでもあるパンをどこよりも美味しく」をモットーに追求していった。



ハイジの温かい雰囲気が形成されるまで

少しずつ売上が回復し、お店の状況に余力が出てくると、宮下さん自身に気持ちの余裕が生まれマネジメントの仕方も考えられるようになったという。感情に任せて怒るとのではなく、言語化して丁寧に説明するように工夫しているそうだ。従業員だけでなく宮下さんも含め、人それぞれ得意分野があるため、「長所は褒めてリスペクトし、短所は責めずにフォローする」を伝え続けている。
ハイジで働きたいというスタッフがどのように集まってくるのかを尋ねたところ、日頃からSNSなどでハイジの発信をチェックしている若い人が、募集のタイミングで応募してくることが多いそうだ。日頃から情報発信してお客様とコミュニケーションをとっているからこそ、パンを好きになるお客様だけでなく、一緒に働いてみたいと思うスタッフを集めることができるという。



新しいものへのチャレンジは周囲の支えのおかげ

ハイジでは店舗での販売を大切にしながらも、SNSでの情報発信、通販サイトや取り置き予約サイトの活用など新しいツールを積極的に試している。情報を調べるだけではわからないことでも、試してみることで経験を積み上げることができるという。新しいものへのチャレンジが好きだという宮下さんは「サポートをしてくれるスタッフや、よりよいアイディアを出してくれるスタッフがいるからこそ実現できているのだ」と語り、周囲の環境に感謝をしていた。
また、ハイジには現在まで7年続いている「コッペパンの日」というものがある。そのアイディアも従業員とパン屋さん巡りをしていたときに、他のお店が実施しているのを参考にしてはじまったという。当時定休日だった月曜日を「コッペパンの日」にしたところ……………(続く)
 


 

ベーカリーハイジ

●所在地:千葉県白井市冨士137-88
●立地:新京成線 「鎌ヶ谷大仏」駅より徒歩15分
●定休日:なし(臨時休業あり)
●従業員:37名(ベーカリーハイジ32名、ナチュールハイジ5名)
●営業面積:31坪(売場9坪・工場22坪)
●日商:平日45万円/休日65万円
●客単価:平日1500円(月曜日のコッペパンの日1600円)/休日1800円/
●オーブン台数:4段1台・スチームコンベクション 2台
●ミキサー台数:2台
●パンの種類:60種類(生地18種類)
●Instagram:@heidi_bakery
●Facebook:@masapanheidi  
●HP:https://heidi-pan.com/


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