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ブーランジェリーフリアンド 谷口 佳典

 


職人の感覚というものを掴んだ渡仏時代

阪急電鉄「夙川駅」から徒歩5分、阪急電車の高架下に並ぶ商店の一角にブーランジェリーフリアンドがある。取材のため正午頃にお店を訪れると、多くのお客様がパンを求めて店の前に列を作っており、その人気ぶりが伺えた。
ブーランジェリーフリアンドは、1951年から開業している老舗のベーカリーだ。三代目である谷口佳典さんがシェフブーランジェになってからは、よりお客様に求められるパンづくりを追求し、進化し続けている。自店運営だけでなく、製パン関連協会に参加し、精力的に講師活動などを行ってきた。さらに2021年のモンディアル・デュ・パンに日本代表として挑戦する谷口さんにこれまでの経歴やパン作りの想いなど幅広くお話を伺った。 谷口さんは、ブーランジェリーフリアンドを営む祖父と父の背を見て育ち、小さな頃からものづくりに関心を寄せていた。学生時代、将来のことを考える頃に、サンドイッチ作りなどお店の手伝いをしてみたものの、思っていたほど上手にできなかったという。それをきっかけに、パンについて深く追求してみたいと思い立ち、パン職人を目指すようになった。
最初のキャリアとして、まずドンクに就職した谷口さんは、そこでパン職人として6年半勤めた。その後、地元の西宮市の国際交流課が行っている留学プログラムの中に、姉妹都市であるフランスのアジャンという都市への留学制度があり、参加することになる。1年間という限られた留学期間の中でパン職人として多くの経験を積むべく、谷口さんは複数のお店を掛け持ちして働いた。パンの美味しいお店を見つけると、無給でもいいから働かせてほしいと頼み込んだという。そうやって現地で仲良くなったパン屋さんで働かせてもらいながら、アジャン滞在中は4店舗の店で経験を積んだ。
留学生活4か月目に拠点をアジャンからパリへと移すと、谷口さんはそこでフランス人と韓国人の友人と出会うこととなる。二人は「日本にあるようなパン屋さんを開業したい」と考えており、二人と意気投合した谷口さんは、異国の地パリで二人と協力しながら一からお店を立ち上げた。あれは貴重な経験だったと谷口さんは振り返る。
1年間の留学を経て帰国した谷口さんは、すぐにフリアンドでシェフを任されるようになった。そんな谷口さんにフランスで学んだことを尋ねると「職人の感覚というものを掴んだ」と話す。日本でのパンづくりでは計量することが多いが、フランスでは計量よりも職人の感覚で量っていることが多い。だからこそ職人の力量によってクオリティのバラつきがあるそうだ。フランスは職人の感覚というものを磨く絶好の場であったと谷口さんは当時を振り返った。


モンディアル・デュ・パンへの想い

留学から帰国した後、フルニエの坂田隆敏さんやパリゴの安倍竜三さんと出会い、大きな影響を受けたという。二人のパンづくりに対するストイックな姿勢に感銘を受けた谷口さんは、パン職人としてコンクールに挑戦することを決めた。2015年に開催された第5回モンディアル・デュ・パンでは世界5位となり、2015年、2016年大会では「健康と栄養パン部門」で世界2連覇を達成した。また2021年開催予定の第8回モンディアル・デュ・パンに日本代表として出場することが決まっている。
第8回大会への挑戦を決めたのは一次予選の4日前のことだったという。師匠として慕っている闘病中のフルニエの坂田さんから「世界大会で健闘している姿を見たい」という激励を受けたことがきっかけだった。挑戦するからには総合優勝を目指し、今はお店の仕事を終えた後に、大会準備をする忙しい日々を送っている。 谷口さんは、大会だからと言って特別に気負ってはいないという。普段のパンづくりの延長線で…………(続く)


 

ブーランジェリーフリアンド

●所在地:兵庫県西宮市若松町3-1
●立地:阪急電鉄「夙川駅」より徒歩5分
●開業年:1951年
●定休日:第2・第4 火・水曜日
●従業員:35名(販売26名・製造8名・配送1名)
●営業面積:52坪(売場36坪・工場16坪)
●日商:平日40万円/休日60~70万円
●客単価:平日800円/休日1000円
●オーブン台数:4台
●ミキサー台数:2台
●パンの種類:130種類(生地23種類)
●Facebook:@boulangeriefriande 


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