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トーホーベーカリー 松井 成和

 


長年愛されるベーカリーを進化させ続ける三代目オーナー


JR吉祥寺駅南口よりバスで約10分。ジブリ美術館のほど近くに店を構えるトーホーベーカリーは、今年12月に創業69年目を迎える。緑豊かな武蔵野・三鷹の住民に長く愛され続けているこのお店は、2004年にリニューアルオープンし、よりお客様に身近で魅力的な店へと進化した。店内に入ると、売り場面積13坪のスペースに90種類ものパンが所狭しと並び、どのパンを手に取ろうかわくわくしながら選ぶお客様の様子がうかがえる。立体的な陳列に、購買意欲を刺激する魅力的なポップ。小さなお子さまでも楽しめるような催事スペースなど、お客様目線に立った売り場が魅力だ。オーナーの松井成和さんは祖父の代から引き継いだ三代目オーナー。パン職人になるまでの経緯や、長くお店を守り続けるために苦労されたこと、また、やりがいや今後に向けてなど幅広くお話をうかがった。
松井さんの実家はもともと、和菓子や洋菓子、パンなど様々なものを扱う商店をしており、最終的に残ったのがパンだったという。松井さん自身が小学三年生の頃に描いた「将来なりたい職業の絵」はパン屋さんだった。というのも、当時、お店のオーナーだった松井さんのお祖父さんから、パン屋への想いを日々聞かされていたのだという。今思えば、想いを引き継がせようというお祖父さんなりの考えがあったのかもしれない。おかげで松井さんは幼少期から将来パン屋になるイメージが刷り込まれていた。そうやって漠然と将来は家を継ぐつもりでいた松井さんだったが、具体的にどうしたらいいのかを考えたのは大学に進学した後だったという。お店に来ていた問屋さんに製パン製菓の専門学校を紹介してもらい、大学卒業後、パン屋を継ぐという決意を新たに専門学校へと進学した。専門学校は夜間学校だったため、昼間はトーホーベーカリーで働いていたという。しかし、実家だからこその甘えがあり、このまま店を継いだとしても長く経営していくことは難しいと思い一度店を離れ、外で修業することに決めた。3年半ほど外部の店舗で修業した後、再びトーホーベーカリーに戻った松井さんは当時オーナーだった父から店を引き継いだ。1992年、松井さんが25歳の頃のことだ。
店を継いだばかりの頃はまだ昭和の風情が残る外観で、トーホーの文字も漢字表記だったという。松井さんはトーホーベーカリーを自分の理想とするパン屋にするべく、様々なことを改革していった。先代から受け継いだ昔ながらのパンはそのまま提供しながら、松井さんが修業先で習得した新しいパンを追加し、商品ラインナップを充実させた。同時にお洒落なお店作りの工夫をし、少しずつこまめに変化させていくと、以前に比べてお客様の入りもよくなり売上が右肩上がりになっていった。

成功するには自信を持ってやりきること

売上が上がったことで店の改革は成功したかに思えたが、そうは簡単にいかないのが経営の難しいところだと松井さんは苦笑する。好調だったのは最初のうちで、しばらくすると、その売上は横ばいになり、それから下降し、4、5年間低迷することになった。また、家族経営で少ない人員でお店を回していたため、松井さん自身が修業先から戻ってきたことで人件費の負担も増えていた。このままではいけないと、松井さんは外から情報を集めようとした。しかし、その当時の知り合いといえば以前の修業先のパン屋さんのチーフや仲間が少しいたくらいで情報に乏しかった。そのときの反省をきっかけに…………(続く)

 

トーホーベーカリー
●所在地:東京都三鷹市下連雀1-9-19
●立地:JR吉祥寺駅南口よりバスで約10分
●人口:三鷹市約190,211人
●開業年:1951年12月
●定休日:日曜日・祝祭日 ・第3月曜日
●従業員:36名(販売17名・工場19名)
●営業面積:35坪(売り場13坪・工場22坪)
●日商:平日83万円/土曜123万円
●客単価:平日1100円/土曜1450円
●オーブン台数:1台(4枚4段)、スチームコンベクション1台(5枚)
●ミキサー台数:2台
●パンの種類:90種類(生地17種類)


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