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どんぐり 野尻 雅之さん

 


素晴らしい仲間に支えられています


現在、北海道札幌市を中心に10店舗を経営しているどんぐりですが、その始まりはパン屋ではなく、私がまだ幼い頃に母がはじめた喫茶店でした。店の前にあった大きなどんぐりの木から名付けられた珈琲舎どんぐりは、オープンして半年ほどで移転し、父も加わってパン屋を創業することになったのです。父はいわゆる〝社長〟らしく威厳があり、社長が会社を引っ張るという時代だったので、当時のどんぐりはそういう組織だったと思います。一方、私は昔から秀でて得意なものがなく、大学受験に失敗したのをきっかけにカナダへ留学したり居酒屋で働いたりと、パンとは全く関係のない生活を続けていました。25歳になった時、母から「お父さんは言わないけど帰って来てほしいと思ってるわよ」と言われ、どんぐりに入社することを決めました。そして、入社6年目の31歳で2代目社長に就任させてもらいました。
実は、それまで仕事のほとんどが本部の運営であり、パン職人として働いたのはわずか1年程。そのため、父のように「なんでこういう風にやらないんだ」と強く言えるような立場ではなく、どうしたらみんなが自分のような社長についてきてくれるだろうかと、当時はかなり悩みました。そんな時、父から「お前はお前のやり方でやればいい。そしてそれをお前の宝にしろ」という言葉をもらいました。その言葉をきっかけに、自分の周りにはこれまでどんぐりを作り上げてきた素晴らしい仲間がいることに改めて気づくことができました。悩んだ時には仲間に相談をして、一緒にどんぐりの未来を考えていく。それこそが私が社長としてできることだと確信しました。
今でも、経営に悩んだ時などには仲間に「どうしたらいいと思う?」と相談をします。そんな社長らしくない社長ですが、仲間との距離が近く〝いじられ社長〟として接してもらっています。こうやって父とは違った経営を自然と築いてこれたのは、紛れもなくどんぐりを一緒に作ってくれている仲間のおかげです。社長に就任して10年目を迎えましたが、いまでも店長達と食事に行くと「正直、10年前はこの社長じゃだめだろうと思っていました(笑)」と言われることもしばしばあります。しかしこの経営スタイルだからこそ、スタッフの個性を活かした店づくりができるのだと信じています。


個性を活かした店づくり


前述の通り、どんぐりでは一人一人の個性を尊重しています。そのため店舗ごとに〝らしさ〟があります。例えば、一般的な組織図では店舗の上に本部があると思いますが、どんぐりは本部と店舗が〝横の関係〟にあります。そのため、店舗ごとにお客様の求めるものを考慮した上で、どうしていきたいかを考えてもらっています。イベントや新商品は各店長に任せ、それをサポートするという形で本部は運営しているので、「これをやってください」という指示を出すことはほとんどありません。また、ある店舗で評判の良かったパンは他の店舗でも真似をするなど、店舗同士の横の繋がりも大切にしています。それが店舗に活気を持たせるきっかけになっていると思います。


一人一人が考えてお客様を想った働きを


個性を活かすために実施していることは他にもあります。それは販売・接客マニュアルを作らないということです。一見、全体をまとめるにはマニュアルが有効のように思われます。しかし、細かいマニュアルがあるばっかりにお客様を犠牲にしてしまうことがあるのではないかと私は考えています。そういったことがどんぐりでは起こらないよう〝お客様を第一に考えた対応であれば、接客マニュアルなどはいらない〟という考えに至りました。そのため…………(続く)

 

どんぐり(本店)
●所在地:北海道札幌市白石区南郷通8丁目南1−7
●立地:札幌市営地下鉄東西線「南郷7丁目駅」から徒歩2分
●人口:札幌市約1,970,420人
●開業年:1983年10月(珈琲舎どんぐりの開業は1983年3月)
●定休日:元日
●従業員:本店40人(販売10人・工場30人)/全社600人(うち正社員260人)
●営業面積:37坪(売場7坪・工場30坪)
●日商:平日60万円/土日95万
●客単価:平日750円/土日900円
●オーブン台数:2台
●ミキサー台数:2台
●パンの種類:130種類

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