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石窯パン工房サフラン 小川佳興さん

 
 
 

一代で築き上げた日本を代表する有名店


千葉県を中心に郊外大型ベーカリーを10店舗経営し、関東屈指の繁盛店として全国で知らない人はいない「石窯パン工房サフラン」。それを一代で築き上げ、64歳になったいまでも現場に立ち続けるのがオーナーの小川佳興さんだ。サフランといえば広い店内に約200種類ものパンが並び、一歩足を踏み入れると小さな子どもからお年寄りまで幅広い客層に愛されるテーマパークの様な印象を受ける。そんな超人気店のサフランは初めから大成功を収めていると思いきや、第一号店がオープンしてから約15年間もの間、店舗拡大の予定はなかったという。そこにはどんな物語があるのか、いまでは想像もつかない当時の苦労から現在までを聞いた。
千葉県松戸市に第一号店をオープンしたのは今から36年前のこと。当時小川さんは28歳で、わずか15坪の小さなパン屋だった。独立にあたり大阪の修行先で慕ってくれていた職人2人が、「一緒にパン屋をやりたい」と千葉県までついて来てくれたという。しかし、それまで店長やチーフとして繁盛店を築き上げてきた小川さんでも、オープン当初は店の経営が上手くいかなかった。日商約7万円という厳しい状況が約1年に渡って続き、給料の支払いに追われてお金のことばかり考えるようになっていった。「このままでは従業員に申し訳ないと思い、2人のためにも大阪に帰ってもらうことになったんです」と、当時を振り返る。
〝失うものは何もない、給料は出なくていい〟という決意の元、妻と二人、新たな気持ちで一歩を踏み出した小川さん。好きなように材料や機械を買って自分の理想とするパンをつくり始めたのが転機となった。その頃から次第に人気を集めるようになり、サフランは繁盛店への道を歩むこととなる。
オープンして15年ほど経った頃のこと、信頼のおける人材に恵まれた小川さんは「1店舗にトップは2人もいらない」として、2店舗目のオープンを決意した。その後もお店を任せたいと思える多くの職人が小川さんの元で育ち、今や10店舗にまで拡大した。「人の数だけ店がある」そう語る小川さんはどこかあたたかく、サフランで働く多くの従業員との間に深い信頼関係があるように思えた。


時代とともに〝売れるパン〟も変わっていく


前述の通り、サフランといえば広い店内に約200種類ものパンが並び、行くだけでワクワクするような店構えが特徴的だ。そんなサフランの〝売れるパンを生み出す2つの方法〟を聞いた。
1つ目はどこにでもある定番商品をとことん突き詰めることだ。「定番商品だと比較しやすいため、どこのパン屋さんがおいしいという評価の基準にされやすく、そこで選ばれなければお客様は付かないと思います」と小川さん。ここまで聞くと当然のようにも聞こえるが、小川さんはさらに上をいく研究をしている。「普通のあんぱんやカレーパンでも、時代に応じて完成系は変わっていきます。サフランのパンは常に改良を続けているため、30年前のあんぱんと今のあんぱんは全然違います。お客様に選ばれる商品を作るには流行りに乗ることも大切ですね」。
2つ目の方法は自ら講習会に足を運ぶことだ。以前は店長だけが参加していたが、一人一人受け取り方や持って帰ってくるものが異なるため、今は自らの足でほぼすべての講習会に参加している。それゆえ、サフラン独自のパンは講習会からアイデアを取り入れているものが多い。また、他店であろうといいお店だなと思ったら、コックコートを着てその店を訪れ、厨房でパンづくりを学ばせてもらうという。この大胆な行動には〝お店によってそれぞれ異なる個性があり、必ず重ならない部分がある。他店の個性を学んで取り入れれば、よりサフランの強みが広くなる〟という想いが込められている。さらに、パンづくりに完成はなく、頂点まで上り詰めたと自分自身が思い込んだら、後は落ちていくだけだと語る小川さん。変わっていく時代と共に自分も変わっていくべきという考えから、学ぶ姿勢を大切にしている。
30年以上パン職人としてパンと向き合っている一流のシェフが、変わり続けることを恐れないことこそが、どの時代でも売れる商品を生み出す最大の秘訣ではないだろうか。
 

お客様のためを想った店づくり

サフランは商品だけでなく、販売方法にもこだわっている。例えば…………(続く)

 

丘の上のサフラン
●所在地:千葉県流山市西平井根郷1441-1
●立地:つくばエクスプレス「流山セントラルパーク駅」から徒歩14分
●人口:流山市 約190,531人
●開業年:2018年6月
●定休日:水曜日
●従業員:30人(販売15人・工場15人)
●日商:平日40~50万/土日祝90~100万
●客単価:1,300~1,400円
●オーブン台数:3台
●ミキサー台数:4台
●パンの種類:約200種類



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