ベーカリーパートナー
商品購入サイト

ベーカリーパートナー商品購入サイト

過去に発行されたベーカリーパートナーは、ご注文で取り寄せることも可能です。

ベッカライ徳多朗 徳永 久美子シェフ

ベーカリーパートナー26号シェフインタビュー


小さい頃の私の本音
「パンなんて……」


3食全てご飯というパンを食べない家庭で育ちました。朝はお魚に納豆などの純和食で、近くのケーキ屋さんで販売していたイギリス食パンを食べたことがありましたが、幼いながらに食べられたものじゃないとパンを軽視していました。
小さい頃の得意なことは縫い物、編み物、お菓子作りで家庭科や美術が得意な子供でした。性格は大人しく引っ込み思案で自信が持てないタイプでしたが、家で何か作る時は活き活きしていました。母をはじめ家族が私をいい気にさせてやらせていたと思うのですが、私の作った料理を美味しいと食べてくれる笑顔を見るのが何より嬉しくて、私の原動力になっていました。将来は3分クッキングの先生になりたいと思っていましたね。
中学校に上がったとき、幅跳びで学年一位になり先輩から勧誘され陸上部に入部。毎日懸垂を100回、家の裏山を走り続けた結果、小学校の時はドンくさかった私の足が速くなり、県大会に出られるようになったんです。人間努力でなんでもできると知った瞬間でした。

パンに対する考えを
180度変えた欧州での経験



高校を卒業して香川栄養専門学校へ通った後、自分を厳しい場所に置こうと大阪の辻調理師学校に入学し日本料理を専攻しました。ここでは調理師の新人戦があって、日本料理部門で大阪代表に選ばれ農林水産大臣賞をいただきました。卒業旅行でヨーロッパを巡ったとき、そこで初めて本物のパンに出会いました。パンを料理に使ったり、パンがスープに入っていたり、フランス料理とパンのマッチングには衝撃を受けました。パンはキリストの肉と言われていることを肌で感じることができましたし、パンは食べる分だけ購入するもので毎日パン屋さんに通う生活の一部になっていることを知り、「文化も含めてパンって美味しい!」と知りました。旅中スーパーで買ったドライフルーツを練り込んだライ麦パンを食べたのですが、それすらも激うまでカルチャーショックを受けました。パンなんて子供が食べるものと考えていた私のパンに対する考え方は180度変わりました。

神様がパンの道に行きなさいと
力技を使ってきた



辻調理師学校を卒業後、料理教室の助手として働いたのですが、そこでは靴がなくなったり、大事にしていた包丁の刃先を折られてしまったりと陰湿な嫌がらせを受け、負けず嫌いなりに5か月耐えたのですが、身体も心も憔悴しきってしまいました。今でいう鬱っぽくなっていたと思います。きっと「和食の道ではなくて、パンの道に行きなさい」という神様の思し召しだったんだと今では理解しています。
料理教室を辞めた後、「青山アンデルセン」の課長(当時)・児玉正治さんのコラムを読んで感動し、この人のもとで働きたいと考えました。しかし当時は女性の製造員は取らない方針だったらしく、最初は断られてしまいました。当時の私は体力には自信がありましたし、諦めきれず何度も働きたいと毎日通って懇願し続け、入社を許してくれました。言われて気づきましたが、扉が開かなければこじ開けていくタイプかもしれません(笑)。
入社が決まり働き出した頃のこと、料理教室で働いていたときに応募した料理コンテストに入賞して、フランス一周することができると連絡が来たのです。児玉さんにこの話をすると「入ったばっかりは役に立たないんだからフランスに行って来いよ!その代わりポワラーヌのスペシャリテ・ミッシュ(※)を買ってこい」という優しい条件で送り出してくださいました。
フランスから帰国して約束通りにミッシュを持って児玉さんに会いに行くと、ミッシュに冷たいバターを乗せてその場にいたみんなに食べさせてくれました。私にとっては冷たいバターとパンがこんなに相性が良いんだと目から鱗が落ちる経験でした。それからというもの素敵なパンに出会わせてくださった児玉さんに恥じないパンを作ろうというモチベーションで仕事をしました。工場のライトの色と、自然光を取り入れた売場では見え方が変わるので、休憩時間に自分の焼き上げたデニッシュが美味しそうに見えるか確認していました。
同じ職場で働いていた主人とは帰り道の方向が一緒だったことがきっかけで意気投合し、1年半程働いた頃に「一緒に店をやらないか」と誘われました。それまで「青山アンデルセン」ではデニッシュオーブンの窯を1年、分割を1か月、成形を2か月、ドーナツなどのフライ担当を2か月しか経験してこなかったのですが、彼について行くことに決め、お世話になった「青山アンデルセン」を退社し、「ベッカライ徳多朗」をオープンさせました。



ベッカライ 徳多朗
●所在地:元石川店/神奈川県横浜市青葉区元石川町6300-7
     ヨツバコ店/神奈川県横浜市都筑区中川中央1-1-5 Yotsubako 1F
●人  口:青葉区(元石川店) 約30万人/都筑区(ヨツバコ店)約20万人
●立  地:元石川店/田園都市線「あざみ野駅」から徒歩30分
      ヨツバコ店/横浜市営地下鉄「センター北駅」から徒歩1分
●開業年:1990年6月 ●従業員:60人   ●パンの種類:約50種類(生地15種類)
●営業面積:元石川店60坪/ヨツバコ店 55坪
●客 単 価:元石川店 1,200円/ヨツバコ店 1,000円
●日  商:元石川店 平日55万円・土日祝80万円/ヨツバコ店 平日45万円・土日祝60万円
●オーブン台数:どちらも2台 ●ミキサー台数:元石川店 3台/ヨツバコ店 2台 


ベーカリーパートナー26号の購入はこちら>>
パン速報 BP
お役立ち情報 BP
ベーカリーパートナー
セミナー BP

定期購読

2 ヶ月に1 回発行で年間6 冊お届けいたします!
毎号ご注文いただく手間がなく非常に便利になります。
継続してお読みになる方には、
便利な年間購読もございますのでご連絡ください。