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プーフレカンテ 狩野 義浩シェフ

ベーカリーパートナー22号 シェフインタビュー

 


 

かのう よしひろ

1963年、長野県生まれ。調理師専門学校でフランス料理を学んだ際、講師のフィリップ・ビゴ氏のパンと人柄に魅かれ、卒業後ビゴの店に入社し、6年半師事。その後、見分を広める為に長野のフランス菓子店トップに約5年勤務。1996年「魔法のぱん」のオープンにあたりチーフとして入社し、金銭に関わること以外全てを任され経営に携わった。その後2000年8月にプーフレカンテを開業。フランス語で「閑散とした」という意味の【プーフレカンテ( peu fréquenté)】とは思えない賑わいで、雨でも客足が途絶えない地域密着型ベーカリーを経営。24時間パンと共に生活することで数字化できないパンの奥深さを理解し体現できる実力派シェフの一人。


 

和菓子屋の息子がバゲットに出会いパン業界へ


 小さい頃は悪戯っ子で、物置に入れられるほど言うことを聞かない子供でした。当時の話を親から聞くと、幼稚園の時にはそのやんちゃさと負けん気の強さに手が負えないと児童相談所に連絡を入れるほどだったとか……家は和菓子屋だったので、朝目覚めるとあんこを炊いているにおいが立ちこめていましたし、おやつはあんこを使った和菓子ばかりで、幼いながらにあんこも和菓子も嫌いでした。

 年頃になると車やオートバイなどの機械に興味を持ち、工業系の専門学校に進学したのですが就職に困り、どっちに転んでも実家の和菓子屋をやればいいやと調理系の専門学校に通いました。ここでフランス料理を学ぶ中で、バゲットに出会ったのです。今まで柔らかいパンしか知らなかった私にとっては、こういう食の世界があるのだと衝撃を受けました。その時の非常勤講師がフィリップ・ビゴさんだったんです。


 ビゴさんの焼き上げるパンはもちろん、明るく豪快な人柄に魅了された私は、卒業後はビゴさんのもとで働きたいと専門学校の教授に紹介していただき「ビゴの店」でお世話になりました。

 夜中からの仕事で忙しい日々でしたが、持ち前の負けん気の強さでやり切り、ビゴさんからも可愛がっていただきました。当時は週に3回くらいでしょうか、私が焼いたパンを試食していただきご指導いただきました。ビゴさんは美味しい、まずいをしっかり言い切ってくださり、当時の職人の世界では珍しく何がダメか的確に教えてくださいました。ビゴさんのパンの知識は膨大で、指導や会話からも学ぶことが多く、貴重な経験をさせていただきました。当時の職人の世界は結果が全ての成果主義だったので、与えられた仕事をまっとうし、良いパンを焼き上げていれば態度や口が悪いなど細かいことを言われることはありませんでした。先輩方もさることながら私も結果を出しながら好き放題やらせていただき、二~三日寝ないまま働いていたこともありました。そんな私の姿を見たビゴさんは「スーパーマン」と茶化してきたりと、厳しくも良いパンを焼き上げ皆が尊重しあっていたビゴの店での修行は私にとって楽しい思い出です。それを機にお三方のようになりたいという憧れから今までの自分の考えを悔い改めました。明石さん、金林さん、仁瓶さんのお陰で今の私がいます。

 明石さんからは「パンは作るプロセスも楽しむことが大事だよ」と教えていただきました。その理由は旅行と一緒です。目的地だけにしか興味がないとたいした思い出になりませんが、目的地までの道中も楽しむことができればより一層楽しい思い出になることは皆さんも経験でおわかりの通りです。私はパン作りのプロセスも大事に楽しむようにしています。

 金林さんは私の人間性を正してくださいました。今思い返すと恥ずかしいのですが、あの頃の私は自信過剰かつ横柄な態度で相手に不快感を与えてしまう鼻につく若造だったんです。そんなヤツ放っておいてもよかったはずなんですが、金林さんは真剣に、親身に向き合い私を叱ってくださいました。「そんな気持ちではおいしいパンが焼けるはずがない!お客様から慕われるはずがない!」と。これを機に私は更生できたので、見捨てずに喝を入れてくださった金林さんには感謝です。

 二瓶さんとヨーロッパの自転車の旅にご一緒させていただいたときに訪れた村でのことなんですが、その村で愛されているパン屋さんのおじさんはM.O.F だったんです。村の人から、「あの人がいなくなると困るんだ」と言われるほど必要とされていて、M.O.F に話を聞いてみると「皆を大事にして良くしていると、自分に返ってくるんだよ。だから人が集まるのさ。」と言うじゃありませんか。至極簡単でシンプルなことですが、物事の心理はそう言うことなんだと深く納得し、感銘を受けました。

 

仕事は「見て」「感じて」「考えて」「行動」すること


 新人さんにはまずはレジ、売場を担当させます。お客様の顔を覚え注文の特徴を把握するように伝えています。もっとシンプルに話すと、お客様を「見て」「感じて」「考えて」「行動」するということです。お待ちになっているお客様がどんな表情をされているのか、腕を組んでいればなにか不満に思っているケースが多いわけですから、どういう言葉を掛ければ良いか見えてくるはずです。近づきすぎるとお客様は離れていってしまうし、距離がありすぎると程よく仲良くなることもできません。距離感を覚えることは大事です。



 私もタイミングをみて売り場に出てお客様の様子を見るようにしています。お客様が取りにくそうにしているなら取りやすく陳列し直しますし、お客様が嬉しそうにどれにしようかと目を輝かせていたら、その陳列状況を見るようにします。お客様をみれば何をすれば良いのかは自然と見えてくるようになります。また、自分が表に出て背中を見せないとスタッフには強く言えません。どこかでまだ後輩には負けたくないという負けん気があることも事実ですがね(笑)。

 工場に置いても「見て」「感じて」「考えて」「行動」することは同様に活用できます。
 
 プーフレカンテでは人と違うところで仕事をすること、その場を離れてもすぐに何か他の仕事に取りかかれるように意識させています。

 まわりをみて、誰が何をしているのか、あの人はこの後何をするのかを読みして動くことが大事です。動線の邪魔をしないようにすることで工場はいくらでも広く使うことができます。逆にこれができなければスペースはいくらあっても足りません。もちろん動線に物を置くのは御法度です。最初はなかなかうまくいかなくても掃除や片付けは誰にでもできます。こういう仕事をする姿勢を身につければ・・・・・
 


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SHOP DATA

プーフレカンテ

●所在地:愛知県名古屋市瑞穂区豊岡通1-25
●立地:地下鉄桜通線「瑞穂運動場西駅」から徒歩7分
●開業年:2000年8月
●定休日:月曜
●営業時間:8:00~19:00(工場稼働時間4:00~23:00 )
●従業員:8人(社員6人・パート2人)
●営業面積:19.6坪(売場5.5坪・工場14.1坪)
●日商:平日40万円/ 土日祝55万円
●客単価:平日1,200円
●オーブン台数:1台( 4枚3段) ●ミキサー台数:4台
●パンの種類:約150種類(生地20~30種類)


 
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